2021-10-29
<なんでも基礎が大切!漆塗りの下塗りの話>
ある漆職人が言った言葉です。
漆塗りのお椀を作る時
本当に深い赤を出すためには
赤を塗る前に
黒でしっかり下塗りをする必要があると・・
この下塗りはとても大切で
表には出てこない色でも
作品の出来を左右するくらいの
大切な塗りなのです。
美しい色、発色は
1回か2回塗った位ではできません。
見えない下塗りが
表の色を引き立たせ、発色を助けるのです。
この朱色や漆黒の輝き、高級感を出すには
かなりの手間暇と技術が必要です。
下塗りを端折ったり
塗りが甘いと色の出方が
中途半端になります。
また、塗りが均一でないと
発色は勿論、手触りもよくない
三流のお椀になってしまうのです。
私も作品を作る時は
何より神経を注ぐのが
ベースコートです。
表の色を決めてから
どのような下塗りをしたら
発色がよくなるかを考えます。
特に絵の具が
トランスペアレント(半透明)なものは
何度下塗りをしても
色が上がってこないものです。
でも、この色をベースに使いたい!!
そんな時は
別の色で下塗りを十分にしてから
発色させる作業をします。
ときには砥石で磨くように
何度も何度も下塗りしては磨き、
まるで鏡のように
ツルツルにすることもあります。
下塗りがしっかりできると
その作品の出来は成功したも同然です。
筆はこびが滑らかに
図柄の発色もいいので
作品が素敵にならないわけがないんですね。
決して表には出てこない色ですが
下塗り絵の具は
縁の下の力持ちなわけです。
人の知力もきっとそうだと思うのです。
下支えのたくさんある人の話は
面白い・魅力的なわけです。
それには知識を入れて
たくさんの経験をすることが
たくさんの人と意見を交わすこと
やはり大切だと思うのです。
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