第256号<相談者のテリトリーで話を聞く>

2021-06-17

<相談者のテリトリーで話を聞く>


心理学の勉強で
ロープレを通じて
様々なケースを議論する機会があります。

人の話を聞くときに
例えばこんなシチュエーションに
遭遇することあります。

A:私、事故に遭ったのよ!
B:私も事故に遭ったことあるよ!

あれ?
Aさんが話を聞いて欲しくって
相談したことなのに

Bさんが悪気なく
自分も同じ経験したことあるから
「私もあるある・・・」ってな感じに
相手の話の腰を折るような
会話を被せる場面にしています。

実はこの時のAさんの心理は

事故に遭ったことは
勿論ショックだったのですが

それよりも何よりも
不安な気持ちや
色々起こったハプニングについて

Bさんに一部始終を話をしたかったのです。

ですから
Bさんのような対応をしてしまうと
Aさんが自分の言いたい事を
全部吐き出せなくなるので
Aさんの悩みはスッキリ解決しません。

人間の心配事の
ほとんどは吐き出すことで解消します。

さて、Bさんは
どんな対処をしたらよかったのでしょうか?

それは静かに傾聴して
Aさんのテリトリーで
会話を展開することなのです。

ですから
Bさんの受け答えとしては・・・

『ええ、大変だったじゃない!で、どうしたの?』とか
『どこか怪我したところは?』とか
『そうだったの?大変だったね!で?』
などとAさんの話を端折らないで
全て吐き出させる
言葉かけをするべきだったのです。

さて、自分の胸に手を当てて考えた時に
同じような場面は
いくつも遭遇したように感じます。

では、私の行動はどうだったのか?

まだまだ修行が足りません。

折角、心理学を安心安全のコミュニティで
勉強しているのだから
もっと精進せねばと思いました。

相手の話を傾聴する姿勢こそが
悩みのある人の
問題を解決するコツなのです。

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