先日見た映画 『モンテッソーリ 子どもの家』は フランスのモンテッソーリ教育法を実践している 幼稚園のドキュメンタリー映画です。
Contents
映画が教えてくれる様々な気付き
今日はモンテッソーリ教育に興味があっても
実際に子どもを通わせるかどうかはわからない。
近くに通わせる幼稚園がない。
園内でどのようなことをするのか知りたい。
と思っている親御さんは
是非みていただけると参考になるでしょう。
そして、この映画は色々な気付きを与えてくれます。
現在の子どもを取り巻く環境
コミュニケーションは大切と言われているのに
子どもを取り巻く環境は
様々な弊害が出てきています。
例えば、スマホやゲームが代表的で
子守り代わりに
子どもにゲームやスマホを
安易に与えているのではないでしょうか?
SNSの発達は
どんどん便利になっていく一方で
子どもの脳の発達に
危険を及ぼすかもしれないと言われています。
モンテッソーリ教育の幼稚園では何をしている?
モンテッソーリ教育の幼稚園では
あえて不便な生活、面倒な作業を
子どもたちに課します。
道具の使い方がわからない子は
年上の子のやるのを
見よう見まねでトライします。
シンプルな道具で使い方を学び
できるという喜びを味わい
自分で工夫して
さらに使いこなせるようにする。
そして、できる子はできない子に教えてあげる。
子どもたちはその作業を
『お仕事』としてこなします。
映画の中でも子どもたちは
どんどん、自分の能力を引き出し
高めているのが分かります。
改めて、モンテッソーリ教育とは何?
『モンテッソーリ教育』とは・・
1907年にイタリア初の女性医師になった
マリア・モンテッソーリが開園した施設で
指導した教育方法を言います。
通常の教育が
空っぽのバケツに水を入れるように
子どもに知識や知恵を与えるとするならば
モンテッソーリ教育は
子どもはすでに膨大な成長計画を持って生まれていて
「子どもには内なる教師が住んでいる」
と考えます。
ですから、
教師は『お仕事』の邪魔をしないで
見守るだけです。
そのためには子どもが自分で気付くような
興味が湧くような
シンプルな日常を提供するのです。
モンテッソーリ教育幼児クラスの特徴は?
三つの要素が
モンテッソーリ教育幼児クラスにはあります。
1 子ども(異年齢の子どもたち)
2 物(整えられた環境)
3 人(準備された大人)
こども(異年齢の子どもたち)
異年齢の子どもたちは
誰に言われなくとも
年上の子が年下の子の世話をします。
または年下の子は
年上の子のやることを見よう見まねで
やってみます。
異年齢の子どもの交流は・・
人を観察する
人を思いやる
人に感謝する
を育てます。
これらはコミュニケーション能力で
最も重要なスキルです。
子どもたちはその能力をすでに持っていて
その表現方法を学んでいるのです。
物(整えられた環境)
教室に設置されている家具・玩具は
全て子供目線で設計されています。
子どもが1番使いやすく
子どもが出し入れしやすく
整理整頓しやすい
何より
子どもの五感を刺激する様な
シンプルな物を揃えています。
一定の空間を保ち
多すぎず少なすぎず・・・
この映画に出てくる教具は
家庭教育でも参考になるところ大です。
シンプルな教具がどれほど
子どもの能力を引き出すかが分かります。
人(準備された大人)
子どもの能力を引き出す
重要な人物は教師です。
モンテッソーリ教育では
教師のことを次のように表現しています。
『教師は子どもの集中や自立心を尊重し
自身の声の大きさ、態度、服装などにも気を配る。
クラスの中心は子どもであることを深く理解し
謙虚で黒衣的な存在である。』
先生の仕事は子どもを見守ることです。
登園前に教室を整備し
子どもが自由に活動できる準備をします。
付かず離れず見守り
あと少しの助けが必要な時や
能力を伸ばすタイミングを見逃しません。
どのように語りかけるか
アドバイスするか
それは声の大きさ、抑揚、早さまで
計算されていて
最大限、子どもの能力を引き出す努力をします。
モンテッソーリ教育の先生たち
それにしても
映画の舞台の幼稚園の先生たちの
レベルの高さに驚きました。
教師は本当に黒衣に徹します。
子どもの伸びるタイミングを逃しません。
教師は一旦、
一人の子どもに関わり始めると
その子だけにフォーカスします。
子どもは信頼できる大人が
自分だけをみてくれていることに安心します。
他の子も
今、自分が教師に関わるタイミングでないことを察します。
自分中心でないといけない子どもが多い中で
モンテッソーリ教育を受けている子どもたちは
自分の番を静かに待つことができるのです。
このような環境が
場を弁える子どもに育てるのです。
そして先生は
『最も重要な言語教材』とされています。
彼らの言動、行動が
真似ることが得意な子どもたちのお手本になります。
子どもの心理を理解して
一つ一つの行動を見逃さない!
特別に教育されている大人たちが
モンテッソーリ教育の教師なのです。
モンテッソーリ教育『敏感期』とは
モンテッソーリ教育の敏感期とは
幼児期、
特に6歳以下の子どもにみられる現象です。
日常生活の環境のある要素にだけ強烈な関心を
示す時期のことを言います。
大人から見たらどうでもよいことに
こだわりったり
少しの違いでも気に入らないと泣き出したり
急いで欲しいのにできなかったり・・
イヤイヤ期とか言う人もいますが
一見わがままに見えて
聞き分けがない子どもに見えてしまいます。
しかし、わがままに見えるのは理由があって
子どもは自分の強いこだわりを
勝手に他人に阻止されるから
泣いたり、駄々をこねたりしているのです。
この強いこだわりを理解してあげて
十分に好きなようにさせてあげると
子どもの能力は爆上がりします。
理解できなくって
叱ったり、
大人のペースに当てはめようとするのが常ですが
モンテッソーリ教育で言えば
子どものこだわりを
理解して観察して
タイミングよく
十分に行動できる様に
準備をしてあげることが大人の役割であるのです。
モンテッソーリ教育を理解している教師は
この敏感期のタイミングに
子どものために丁度の準備をしてあげられるのです。
では、モンテッソーリ教育を
家庭教育に生かすことはできるでしょうか?
少しでも家庭でできたらいいと思いませんか?
モンテッソーリ教育 家庭でできること
モンテッソーリ教育を
家庭で導入することはできるかもしれません。
それにはモンテッソーリ教育を理解することが必要ですが
どんな事が家庭内でできるかを考えてみます。
玩具・教具に断捨離をする
多くの玩具・教具は集中力が散漫します。
できるだけシンプルな玩具を選ぶことが
子どもの創造性を育みます。
整理整頓をする
整理整頓は自分でやらせます。
どこに何があり、どの様に戻すか
どの様に整頓するかを気付かせるには
シンプルが1番です。
使いやすい家具と教具の配置
自分が整理整頓するのに
サイズが合わないとできないわけです。
子どもサイズの家具の準備はできるものではありません。
子どもの目線に
子どもの使用するものを
設置することが
全て自分でやり切ることができるのです。
見守る・口出ししない
映画では包丁も
マッチで火をつけることも
アイロンも子どもがかけます。
危なくって絶対に与えないものですが
しっかり、見守り、使い方を教えること
ギリギリまで口出ししないことで
色々な場面に注意を払う子どもに成長します。
アドバイスは最小限
なんでもやってあげる、
失敗がわかっているので
その前に阻止してあげようとするのが親心です。
しかし、やりすぎは子どもの成長を妨げます。
見守る・口出ししないを実行して
アドバイスも最小限を徹底することが
子どもの能力を伸ばします。
集中しているときは急かさない
集中し始めたら
時間を忘れて集中するのが子どもです。
何度も何度も同じことをやるのも
集中している証拠です。
そんな時はやはり、見守る・口出ししない
そして急かさないことです。
やりたがる事はなんでもやらせる
子どもはやってみたいことがどんどん出てきます。
大人がやっていることも
見よう見まねでどんどんやりたがります。
それは前出のアイロンがけ、マッチを使う、料理なんかもそうです。
刃物や火を子どもが扱うことは
大変危険を伴います。
なるべくなら、遠ざけたいものですが
これもまずはやらせてみる。
しっかり、見守ることが前提で
大人がいない時にはやってはいけない事として
ルールを決めることも大切だと考えます。
究極はSimple is best
いかがでしたか?
家庭でできるモンテッソーリ教育は
生活をシンプルにすること
親が子どもを見守る・口出ししない
覚悟を持っていれば
可能ではないかと考えます。
さらに言えば
便利なゲーム機・スマホなどの機器を
幼児には与えない覚悟も必要です。
シンプルで一見、不便な生活が
子どもの能力をグングン育んでいることは確かで
これは私の経験からも言えることです。
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