幼児教育 ソーシャル・レファレンシング 子どもを見守るメリット

ソーシャル・レファレンシングという言葉を聞いたことがありますか?
乳幼児精神医学の世界的な第一人者のロバート・エムディ氏の言葉です。

ソーシャル=社会的な
レファレンス=参考、引用する

さて、この意味は何を意味するのでしょうか?

人間の行動傾向がわかるソーシャル・レファレンシング


エムディ氏は
人間の社会的存在の基盤となる
感情や感性を観察しました。

いわゆる、人はどのような行動を取りやすいのかを研究したのです。

このソーシャル・レファレンシングが
しっかりと人間の本質に備わっている人と言うのは
社会的にも模範的な行動を取ります。

しかし、
大人でソーシャル・レファレンシングがきちんと備わっていない人と言うのは
その行動がお世辞にも褒められない行動をしていないことが多いのです。

では、具体的にどのような行動が
ソーシャル・レファレンシングが備わっていて

反対に
ソーシャル・レファレンシングが備わっていない行動とは
どのようなものなのでしょうか?

『みんなが渡れば怖くない!』の理論



昔よく、お笑い芸人が言っていた言葉があります。

『赤信号、みんなが渡れば怖くない!』

まさにこの行動が
ソーシャル・レファレンシングが備わっていない行動だと言えるのです。

赤信号は渡ってはいけない事はみんなが知っている事です。

  • 見通しのよい広い道路
  • 今日は全く車が通らない!
  • しかも、全く信号が青に変わらない。
  • 右見ても左見ても全く車が来る気配がしない!
  • えい!赤でもいいから渡っちゃえ!!

こんな事ってないですか?

そして、自分は青で渡ろうと思っていたのに
誰かが赤で渡り始めたら・・・
後に続いて渡りはじめた事ってないですか?

これがいわゆる
『赤信号、みんなが渡れば怖くない!』なのです。

ソーシャル・レファレンシングが備わっていない行動


本当はいけない事、ルール違反だとわかっているのに
なぜかみんながやり始めたら
ルール違反とわかっていてもやってしまう。

ゴミなんかも誰かがゴミ箱じゃない所に
ペットボトルを捨てて行ったら
次々とペットボトルを捨てて行く人が出てきたり

ここは駐車禁止だよ!って言っているのに
誰かが駐車している所を見たら
自分も他に駐車するところがないと駐車したり・・・

このような行動が
『ソーシャル・レファレンシングが備わっていない行動』と言うのだそうです。

なぜ、人はルール違反をする?


さて、では
何故、人はいけない事だとわかっていたり
これはルール違反だとわかっているのに
誰かにつられてルール違反の行動を取ってしまうのでしょうか?

また、大人の中でも
絶対にルールを守る人と
流されてしまう人
自分からルールを守らない人

が出てくるのでしょうか?

この研究に関してはエムディ氏は
このソーシャル・レファレンシングが育って行く道筋を研究してきた中で
ある重要な事を発見しています。

ソーシャル・レファレンシングの育て方

乳幼児精神医学の観点から

赤ちゃんの行動を長年観察して
ソーシャル・レファレンシングの感性が乏しい子どもに
ある共通することを見つけたのです。

それは赤ちゃんがハイハイや色々なことに興味を持ち始める頃からの
お母様の対応に大きく左右されています。

『子どもへのまなざし』の著者である佐々木正美先生はこう言っています。

赤ちゃんは
初めて何かをやろうとする時は
本当はやみくもに突き進まないそうです。

例えば、ハイハイをして何か障害物があるとします。

赤ちゃんは必ず初めてのものに関しては
一旦、動きを止めるそうなんです。

そして、動きを止めてあたりを見回します。

後ろを振り返って、
お母様が暖かく見守ってるのを確認できたら
安心して障害物に挑むそうなんです。

また、頑張って、その障害物を果敢に乗り越えました。
そうすると
赤ちゃんはまた動きを止めてあたりを見回します。

今度は
『できたよ!見て見て!』と言う
達成感を褒めて欲しくってあたりを見回すそうなのです。

ですから、
赤ちゃんは何か新しい事をやろうとするときは
慎重に『大丈夫?ここ行っても大丈夫?』と確認の意味で
あたりを見回し、お母様や保育園の先生を探すのです。

そして、何かを達成したときは
『できたよ!できたよ!見てくれた?』こんな気持ちで
あたりを見回すそうなのです。

この時に
後ろに親御さんや先生がいて
『大丈夫よ!やってごらんないさい。』と
ゴーサインを出してあげたり

『やったわね。できたわね。すごい、ちゃんと見ていたわよ。』と
嬉しさを後ろから見せてあげる
赤ちゃんは自信を持って次の挑戦をするそうなのです。

このやり取りがしっかりできていた子が
ソーシャル・レファレンシングがしっかり育っていて

無視されたり、注目してもらえなかったり
達成したのに誰も見てくれていなかったりする子
実はソーシャル・レファレンシングが
あまり育っていないと言う結果が出ているそうです。

人格形成に大きな役割を果たす


ではソーシャル・レファレンシングが育っていると
何がいいのか?と言いますと
やはり人格形成に大きな役割をはたしていると思うのです。

なんでも人に流されてしまったり
悪いとわかっているのに
断る勇気が出せないで右習えをしたり
誰でも経験はあると思います。

大きくなってからのこれらの行動が
乳幼児期の親御さんや大人の対応が
大きく関わっている可能性があるとは驚きです。

そして、やはり0歳からの大人の受け答えって本当に大切だと思うのです。

子育ての基本はスキンシップ


最近ではスマホ、アプリ、ビデオやテレビにお守りをさせるケースが多いと聞きます。

他言語の習得でも
モニター越しと
直接、語りかけてもらった子どもたちの
言語習得能力は明らかに違いがあります。

便利なものを有効に使うこともいいでしょうが
やはり、子育ての基本と言うものは
時間がかかっても子どもたちに直接リアルを体験させることと
暖かく見守る姿勢が大切だと思いました。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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