幼児教育 読み聞かせ 絶版本『ちびくろサンボ』が復活していた!

皆さんは『ちびくろサンボ』と言うお話を知っているでしょうか?
もしかしたら
20代から30代前半の方々は知らないと思います。

なぜなら
この『ちびくろサンボ』ですが
1988年に絶版になっていて
日本で読むことが1999年までできなかったからなんです。

今日は私が大好きだった『ちびくろサンボ』のお話です。

昔は国語の教科書でした

私が小学校低学年の時
『ちびくろサンボ』の物語は国語の教科書に入っていました。
当時は音読をするために
毎日、練習をした記憶があります。

『ちびくろサンボ』は私の大好きな物語でした。

1988年『ちびくろサンボ』絶版


しかし、子どもが生まれて絵本を与えるようになって
『ちびくろサンボ』を子どもたちに読んであげることができませんでした。

なぜかと言うと
『ちびくろサンボ』はある社会的批判から
1988年から絶版になっていたのです。

多分、現在20代、30代の若い世代の方々は
幼少期に『ちびくろサンボ』を読むことがなかったのではないかと思われます。

『ちびくろサンボ』のお話の内容

『ちびくろサンボ』のお話の内容は

かわいい男の子「サンボ」がある日
ジャングルでトラに出会います。

何度も食べられそうになりますが、
様々な知恵を絞って、トラからて食べられる危機を回避します。

そして、最後には、トラ同士がサンボをめぐり喧嘩して
木の周りをグルグルまわリ始めます。

あまりのスピードにトラ同士が溶けて、バターになってしまうのです。

サンボはそのバターでお母さんにホットケーキを焼いてもらい、
家族でたくさん食べたという楽しいお話です。

子どもの頃
最後に家族でホットケーキをお腹いっぱい食べるシーンが
子ども心にも
とってもワクワクして
ホットケーキはマイブームになっていました。

しかし、大人になって絵本のことはすっかり忘れていました。
子どもを持って
子どもたちに読み聞かせで読んであげたいと思った時に初めて
『ちびくろサンボ』が絶版なっていると知り驚いたものです。

『ちびくろサンボ』の紙芝居を発見


最近、せなけいこさんの絵本作家50周年展を訪れて
偶然『ちびくろサンボ』の紙芝居を発見しました。

せなさんも昔、紙芝居として切り絵で
『ちびくろサンボ』のお話を作っていたのです。

しかし、その時のお話のタイトルが
『サンタ君と虎』になっていました。

それを見た時に
そうだ!この話は絶版になっていて
子どもたちに読んであげられなかったんだ。と思い出したのです。

それと同時に
自分が小さい頃、
本当にワクワクして読んだ記憶も思い出したわけです。

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なぜ『ちびくろサンボ』は絶版になったの?


『ちびくろサンボ』はもともと
1953年に岩波書店から発売され120万部と言う大ベストセラーになった本です。
小学校の国語の教科書にもなったので
この人気ぶりがわかります。

しかし、1988年この人気絵本は絶版になるのです。
理由は
岩波書店が、
ある団体からの『ちびくろサンボ』は「黒人差別である」という抗議を受けたことにより
当時、編集に携わった人々に相談することなく
わずか4日間で絶版を決め、販売を中止してしまったのです。

抗議の理由は、
登場人物の名前が差別的であるとの判断からでした。

ですから
多くの読者は「何故絶版になったのか」を理解できないまま、
いきなり、絵本を手に入れられなくなってしまったのです。

『サンボ』は差別的な名前?

この『ちびくろサンボ』ですが

イギリス人の
ヘレン・バンナーマン夫人が自分の娘たちのため書いたものです。

当時、夫の仕事の関係でインド滞在中だった夫人は
インド人の子どもをモデルに『ちびくろサンボ』を書いたとされています。

そして、そのタイトルは『The Story of Little Black Sambo』でした。

この『サンボ』のお話は瞬く間に人気になり
アメリカ版も出版されることになります。

しかし、アメリカ版では、
物語のサンボのイラストが
インドの子どもをアフリカ系黒人の子のように描いたのです。

そして、その事がアフリカ系アメリカ人に対する蔑称とされていた「サンボ」の名前
人種差別の問題として発展し絶版になったのです。

インドでは普通の名前もアメリカでは差別用語


研究者によれば、インド、ネパール、チベットの達の間で、
「サンボ」「マンボ」「ジャンボ」はごくありふれた名前です。
そこから夫人が
物語の主人公の名前を
インド人お馴染みの名前「サンボ」からと名付けたのであれば、
差別語とは言えません。

しかし、アメリカでは、
実際にアフリカ系アメリカ人に対する蔑称として「サンボ」があります。
1960年代の公民権運動のさなか
この差別的な名前は
黒人団体の抗議対象になることは致し方なかったのかもしれません。

そして、『The Story of Little Black Sambo』は絶版になったのです。

日本では、直接抗議する黒人団体もなく、
それから何十年も
1980年代後半まで
この『ちびくろサンボ』は放置されてきたのです。

しかし、遅ればせながらの差別語・差別表現糾弾の声の高まりの中で、
岩波書店版を初め、
全ての『ちびくろサンボ』の絵本が1990年までに絶版となったのです。

再版されて嬉しい!絶対に読んで欲しい!

大人気の絵本の絶版問題に
このような世界的な差別問題が関係していたとは驚きです。

そのことが原因で
長い間『ちびくろサンボ』を読むことができない子どもたちがいたとは
ちょっと残念です。
 
『ちびくろサンボ』絶版の背景には、
世界的な黒人差別問題が影響していたわけですが

もともとイギリス人の母親がインド人をモデルにして書いた
自分の子どもたちのための絵本だったのです。

その絵本がアメリカにおける
アフリカ系黒人の解放運動に関連づけられてしまい絶版になったことは
なんとも皮肉ですね。

お話の内容は
みんなが大好きなとてもワクワクする内容です。
うちの下の子だったら何百回も読んでとせがんだかもしれません。

当時、子どもたちにこの話を読み聞かせてやれなかった事は
ちょっと残念でしたが
現在は『ちびくろサンボ』を手に入れて読むことができます。

きっと、若いお母様たちは知らない方もいるかもしれません。
とっても楽しくってワクワクするお話です。

そして、このお話を読んだ後
絶対に子どもたちはホットケーキが食べたいとおねだりすると思います。


実際の絵本ですが『ちびくろサンボ』の名にふさわしい・・・
チビサイズです。13cm x 8.5cm

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。


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