幼児教育 造形教室の役割と使い方

私はペイント作家でしたので
子どもに何か創作させる事が大好きでした。

うちの子ども達は手先は器用だと思うのですが
その器用さはゲーム機のボタンを押す事に使うことが多く
中々、私のように創作活動をするまでには至っていないことは残念です。

夏休みになると
子どものイベントを企画して手作り作品を作るお手伝いをしていました。

今日は造形教室や体験レッスンの本来の利用または賢い利用の仕方をお教えします。

子ども向けワークショップの難しいところ




私は色々なイベントで子ども向けのワークショップや
依頼を受けて長期お休み、
例えば夏休み、冬休み、春休みなどに
工作教室、ペイント教室のようなものをやってきました。

参加する子どもたちは同じ学校の子どもたちが多く
同じ素材で見本と同じものを作るので
もし、誰かが夏休みの工作の宿題として提出した場合
ゴロゴロと同じものが出展される可能性があります。

この参加者全員を同じレクチャーで
個性的な他とダブらないような作品を作ってもらう事は
なかなか至難の技なのです。

同じ素材だからこそ個性を際立たせる

同じ素材、数種類のデザインの中から子どもたちは
作品を仕上げていきますが

子どもの指導で面白いのは
個性が出やすく、
全く違う作品になります。

それにはこちらが
彼らが持っている色彩感覚や
潜在的に好きな色にフォーカスしていかないといけません。

なるべく多くの種類の絵の具を提供する
なるべく多くの種類の筆を持っていくのは
そのような目的があるから私がやってきた事です。

参加している子どもたちの心理


レクチャーしていくと

絵の具をつけすぎた
なんか失敗したかも・・・と言う子が必ず出てきます。
やり直したい、
隣の子と同じくらい上手に描きたい
さっさと終わらせてプールに行きたい
ちょっときただけなのにハマった

参加した子どもたちの参加動機にもよりますが
私はどんな理由で参加してもいい事だと思っています。

だって、彼らは親が参加を決めたとは言え
300円を握りしめて
会場までやってきて
今、この場所で作品制作をしていて
自分から行動をしているわけです。

そして、どんなに親に言われてイヤイヤで参加した子でも
子どもが失敗と思ってちょっと悲しくなっても
その子の作品を
他の子も羨むほどの芸術作品に仕上げる方法を教えることができます。

全員、帰りには喜んで満足して帰ってもらう自信は私にはあるのです。

創造させる事は難しい

大人のお母様だって
白いキャンバスと絵の具を渡されて
『それ、好きに描け!』と言われても
絵心がある方ならまだしも
かなり難しいと思います。

子どもも同じ事で
どこかに遊びに行って
自由に何かを思いのままに描けたら天才です。

『さあ、楽しかったんだからお絵かきしなさい。』
夏休みの宿題の絵や
旅行記、または絵日記に残しなさい。

これは子どもには無理です。
ある程、助け舟を出してあげないと
お絵かき事態を嫌いになってしまいます。

真似させる事で創造性が育つ

さて、このような子どもの教室は
同じ素材で同じデザインで仕上げていくようにします。
なぜなら、自由にどうぞと言ったら
何時間でも製作にかかる場合があるからです。

ここで学ぶべき事は

  • 決まった時間に
  • ある一定の作業をこなすこと
  • お手本と同じような物を作っていくこと

この3つを体験することにあります。

家庭でのお絵かき、お製作指導方法

どのようにお絵かきやお製作をさせるのかと言うと
私が子どもたちにやらせた2つの方法があります。

形にフォーカスしたお絵かきをさせる

シンプルな形は子どもが絶対に知っています。
この形を利用して物を連想させます。

その形は◯△□の方がイメージしやすいです。
そして描かせるのなら静物です。


ですから、
例えば
おじいちゃん家に行って、スイカ食べた
スイカ割りした

スイカを誰かが割っている所を描くのは難しいです。
しかし、スイカは描けると思います。

簡単だと思っているスイカでも描き方のレベルが違います。

  • まん丸の黒と緑の模様のスイカ
  • 包丁で切った三角のスイカ
  • 棒で叩かれてぐちゃぐちゃになっているスイカ

こんな感じで子どもの能力に合わせてお絵かきをさせます。
できない子には言葉で誘導するのです。
「どんな形?◯?△?」
「色は何色?」
「タネはあった?どんな色?大きさは?」

このように形から連想させる訓練はお絵かきが上手になる第一歩です。
想像力、表現力などを色々な脳に良い働きもしてくれます。

好きな絵を転写する作業

 



トレーシングペーパーの上で好きな絵を転写させます。

できればシンプルな絵の方が
写しやすいのですが

子どもたちは憧れのキャラクターなんかを描きたがります。
描きたいと思っているのですから
やらせてあげればいいだけです。

この転写お絵かきは非常に色々なことを考えながら鉛筆を走らせますので
とても脳の活性化に良いと考えます。

転写お絵かきのいい所は
自分では描けないと思っていた
難しいキャラクターが描けたと言う満足感

続けていくうちにパーツや特徴を捉えることができて
そのうち、その絵を横に置いて真似ることができます。

この効果は造形教室、体験レッスンが提供する
見本を見ながら製作することと同じです。
トレーシングペーパーがあれば自宅でも簡単にできます。

我が子の思考パターン

画像は子どもが描いた野菜です。
このように描ける子はあまりいなかったと記憶しています。

それも3歳くらいで描いていますから
すごく面白いと思っています。

本来子どもは最初に輪郭を描いてから塗り絵をするような絵を描きます。
黒のクレヨンで輪郭をとって中を塗り絵
黒がにじんで塗り絵の色が濁ったりするものです。

しかし、うちの下の子は
いきなり内側から塗り絵をしながら
最後に形を整えるような絵の描き方をしていました。

これは頭の中ですでに物体の形が出来上がっているのです。
ですから、輪郭を描く必要がないのです。
折り紙やハサミが得意だった子なので
物を立体的に考えられる能力があったのではないかと推察します。

医師も多少の絵心が必要です



子どもの大学時代のノートを整理していたら
たくさんの臓器の絵をノートに書いていました。
精密に描いているものもあったり
わかりやすくざっくりと描いていたり

これを見た時に
やはり、医師も多少なりとも絵心があった方がいいと思いました。

医師が患者さんに臓器の一部をわかりやすく書いて
どのような状態になっているのかを説明する場面は
私も何度か経験をしているのですが

やはり、患者の立場からしたら
わかりやすい図解説明はありがたいと思います。

得意不得意は勿論あります

子どもの時にお絵かきを沢山したからと言って
お絵かきが得意になるとは限りません。

これはスポーツ、音楽とも似ていて
ある一定のレベルには達するかもしれませんが
能力の差が出やすい部分でもあります。

しかし
スポーツが苦手だから全くスポーツしない事は
健康にも良くない事ですし
走るのが苦手でも運動が好きな子も沢山います。

同じように
音楽でも芸術でも
人生の中でうまく付き合って楽しむことが一番だと思います。

気長にのんびりと

お子様の能力もどこで開花するかはわかりません。

特にスポーツ、音楽、芸術においては
見返りを期待せず、脳を鍛えている、筋肉を鍛えている位に
考えてあげた方が子どもたちも楽しめると思います。

子どものために開催されるイベントには
どんどん参加して沢山の経験をさせてあげること
そして、できればそのノウハウをお家でも忘れないうちに取り入れてあげる事は
さらに強力な経験になって
色々な相乗効果が生まれます。

次回は
型にはめないと上達しない受験用お絵かきの極意について書きたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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